社名で聞けば9割出る会社も、お客様の言葉では2割しか出なかった

2026/10/1019:342人が見ました

    この記事の結論

    • 9社の「社名を含まない言葉」の結果を足すと、名前が出たのは958マス中127マス(13.3%)。3社は1マスも出ませんでした。
    • 社名入りの言葉も測った4社では、社名で聞けば92マス中84マス(約9割)出るのに、社名なしでは388マス中82マス(約2割)でした。
    • 名前が出たのは、「自社の得意分野をそのまま表す、狭くて具体的な言葉」のときでした。「地域名+注文住宅 おすすめ」のような広い言葉では、工務店は2社ともほぼ全滅です。
    • どのレポートも、原因を「AIが引用するポータルや一覧に載っていない」「質問に答えるページがない」ことに置いていました。

    1. 何を並べたのか

    私たちはこれまで、住宅会社をはじめ、さまざまな会社のAI検索診断を行ってきました。ChatGPT・Gemini・Perplexity・Feloといった生成AIに、社名を知らない人が打ちそうな言葉で質問し、その会社の名前が出るかを確かめるものです(自社サイトを測った結果は、以前の記事でお伝えしました)。

    今回は、そのうち実際にAIに聞いて測った9社分のレポートを並べました。

    区分 社数
    工務店・住宅関連サービス・建設会社 4社
    他業種(製造・ビルメンテナンス・廃棄物処理・福祉・IT) 5社

    1社あたり言葉は30語、AIは3〜4種類です。レポートごとに「上位」「名前だけ出た」「地図だけ出た」など書き方が違うため、ここでは少しでも名前が出たか、出なかったかの2つにそろえて数えています。別の会社と取り違えられた回答は「出た」に入れていません。

    なお、多くのレポートは、似た言葉をまとめて代表的な言葉で測り、その結果を同じ型の言葉に当てはめる方法をとっています。表の1マスずつを全部聞いたわけではない点はご了承ください。

    2. 3社は一度も名前が出なかった

    9社の「社名を含まない言葉」の結果を、会社ごとに名前が出たマスの割合で並べると、こうなりました(各レポートの表で「登場なし」以外のマスを数えて割ったものです)。

    名前が出た割合 社数
    0%(全滅) 3社
    10%未満 2社
    10〜20%台 2社
    40%台 2社

    全部を足すと、958マス中127マス、13.3%です。

    全滅した3社のうち1社は工務店でした。長い実績があり、工法や自由設計という分かりやすい看板も持っています。それでも30語×4つのAIで一度も名前が出ず、代わりにほぼ同じ看板を掲げる別の会社が繰り返し紹介されていました。レポートの結論は「訴求の弱さではなく、その訴求がAIに読める形で外に出ていないこと」でした。

    もう1社の工務店も、名前が出たのは120マス中6マスだけ。それも、小さな地名と住宅の種類を組み合わせた、ごく狭い言葉のときに限られていました。

    3. 社名で聞けば9割、お客様の言葉では2割

    社名入りの言葉も一緒に測っていた4社だけで比べると、差がよく分かります。

    言葉の種類 名前が出たマス
    社名を入れた言葉 92マス中84マス(91.3%)
    社名を入れない言葉 388マス中82マス(21.1%)

    社名で調べれば、AIは所在地や創業年、事業内容まで正確に説明します。つまりAIは会社のことを知らないわけではありません。それでも、社名を知らない人の質問には、その会社を候補として出さないのです。

    さらに、この4社はすべて、社名で聞いたときでさえ、どれかのAIが同じ名前・似た名前の別の会社と取り違える回答をしていました。「評判」を聞くと別の会社の口コミを答える、社名の一部から別の業種と思い込む、といった例です。

    4. 名前が出た会社は「狭くて具体的な言葉」で出ていた

    では、4割前後まで出た会社は何が違ったのか。レポートを読むと共通点がありました。

    • 自分たちが作ったサービスの種類を表す言葉では、3つのAIすべてで1位〜3位に出ていた
    • 専門的な製品名や加工方法の言葉では、3つのAIで上位に出ていた
    • 得意な処理方法を表す言葉では3つのAIで上位に、「地域×対象者×サービス」がぴったり合う質問では2つのAIで筆頭に出ていた

    逆に、同じ会社でも「地域名+おすすめ」「費用」「選び方」「比較」のような誰でも打つ広い言葉になると、ほとんど出ていません。ある住宅関連の会社は、数百本の解説記事を持っていながら、家づくりの悩みに関する言葉ではAIが引用したのはポータルサイトと個人ブログでした。

    AI別に見ると差もあります。4つのAIをそろえて測った8社では、名前が出た割合はChatGPTとGeminiが13.8%、Feloが9.7%、Perplexityが3.2%でした。1つのAIだけで判断しないほうがよい、ということです。

    5. レポートが挙げた原因は、ほぼ同じだった

    業種も地域も違う9社ですが、レポートが挙げた原因と打ち手はよく似ていました。

    原因・打ち手 挙げたレポート
    AIが引用するポータル・比較サイト・求人媒体・業界の一覧に載っていない 9社すべて
    社名を知らない人の疑問に答えるページ(費用・選び方・よくある質問)がない 9社すべて
    会社情報をAIが読める形(構造化データ)で一意に示していない 9社すべて
    同名・似た名前の会社との混同、名乗り方のばらつき 7社
    坪単価・性能値・実績数などの数字が文字で書かれていない 6社
    Googleの店舗情報と口コミが整っていない 5社

    工務店のレポートでは、性能の数値が同じ他社がAIの比較表に載っているのに、自社は載っていないという指摘もありました。数値で負けているのではなく、数値を外に出していないだけ、という状態です。

    6. 自社で今日できる確認

    • 社名を入れない言葉を10個書き出す:「地域名+注文住宅」「地域名+平屋 費用」「地域名+工務店 選び方」など、お客様が最初に打ちそうな言葉です。
    • 2つ以上のAIで聞く:ChatGPTは一時チャット(記憶オフ)にすると、過去のやりとりに左右されにくくなります。
    • 社名でも聞いてみる:正しく説明されるか、別の会社と混ざっていないかを確かめます。
    • 紹介された会社の「引用元」を見る:ポータル、口コミ、業界団体の一覧、比較表のどれか。そこに自社が載っているかを見ます。
    • 自社サイトに数字が文字で書いてあるか:坪単価の目安、性能値、事例ごとの費用帯。画像の中の文字はAIが読めないことがあります。

    まとめ

    • 9社のうち3社は、社名を知らない人の言葉では一度もAIに名前が出ませんでした。
    • 社名で聞けば約9割出るのに、お客様の言葉では約2割。AIは知っていても、紹介はしないのです。
    • 名前が出たのは、得意分野をそのまま表す狭くて具体的な言葉のときでした。
    • 原因はどの会社もほぼ同じで、AIが読む場所に、数字と答えが置かれていないことでした。

    自社がAIにどう見えているかは、実際に聞いてみるまで分かりません。
    シンミドウでは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIで「社名を知らない人が打つ言葉」を使い、自社の名前が出るか、どこから引用されているかを調べる AI検索無料診断 を行っています。

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