1,000人来て、何人が問い合わせますか? ― 住宅会社125サイトの実測

NEW!2026/10/1018:0914人が見ました

    この記事の結論

    • 工務店・住宅会社のサイトの問い合わせ率は中央値0.53%。1,000人が訪れて問い合わせるのは5人前後です。上位25%は1.17%以上、下位25%は0.16%以下でした。
    • 訪問が多いサイトほど問い合わせ率が高い、わけではありません。年10万訪問以上のサイトの中央値は0.22%でした。
    • 差を分けていたのは、どこから来た人が、どのページから入ったかです。SNS広告から来た人は0.04%、ブログから入った人は0.03%でした。
    • そもそも125サイトのうち35%は、問い合わせの数を正しく数えられていない可能性がありました。

    1. 何をどう集計したのか

    項目 内容
    対象 当社が分析・運用に関わる全国の工務店・住宅会社のうち、年3,000訪問以上の125サイト
    期間 2025年9月〜2026年8月の12か月
    問い合わせ率 問い合わせ・資料請求・来場予約・電話・LINEなどの完了数 ÷ 訪問数
    数値の出し方 とくに断りがない限り、サイトごとの値の中央値

    サイトの規模は、年間訪問数の中央値で約2.3万。月2,000訪問前後の、地域の工務店としてごく一般的な規模です。大きなサイトが1つあるだけで合計値は引っ張られるため、平均ではなく中央値で見ています。社名・地域・個別の数値は公開していません。

    2. 相場は中央値0.53%。上位と下位では7倍以上の差

    問い合わせの計測が正しく設定されていた81サイトで年間の問い合わせ率を並べると、中央値は0.53%でした。上位25%は1.17%以上、下位25%は0.16%以下。同じ住宅会社のサイトでも、7倍以上の開きがあります。

    自社の数字は、GA4で年間の訪問数と、問い合わせ・資料請求・来場予約などの完了数を出して割るだけで出せます。年間2万訪問で問い合わせが100件なら0.5%、ちょうど中央値あたりです。

    意外だったのは、訪問数の多さと問い合わせ率が比例しないことでした。年10万訪問以上の13サイトの中央値は0.22%で、1万〜3万訪問の32サイト(0.63%)より低くなっていました。広告で訪問を大きく増やしているサイトほど、問い合わせにつながりにくい訪問が混ざっている可能性があります。「まず訪問を増やそう」という発想だけでは、問い合わせは増えないかもしれません。

    3. どこから来た人が問い合わせているのか

    流入経路ごとに問い合わせ率を出すと、差ははっきりしていました。

    流入経路 問い合わせ率
    ダイレクト(ブックマーク・URL入力など) 1.44%
    他サイトからのリンク 1.02%
    自然検索 0.56%
    SNS(広告以外) 0.42%
    検索広告 0.41%
    ディスプレイ広告 0.05%
    SNS広告 0.04%

    ※その経路の訪問が年500以上あるサイトの中央値

    SNS広告から来た人の問い合わせ率は、自然検索の約14分の1。同じ広告でも、検索広告とは10倍の開きがあります。

    これはSNS広告が役に立たないという意味ではありません。SNS広告は、まだ住宅会社を探していない人に届くのが強みで、その人たちがすぐに問い合わせないのは自然なことです。問題は、SNS広告を「問い合わせの件数」で評価してしまうことにあります。

    一方で最も高かったのはダイレクトでした。一度サイトを知った人が戻ってくる訪問が多く含まれる経路です。問い合わせの多くは、すでに社名を知っている人から来ていると考えられます。

    4. どのページから入った人が問い合わせているのか

    訪問者が最初に開いたページ(入口ページ)で分けると、こうなりました。

    入口ページ 入口に占める割合 問い合わせ率
    トップページ 37.7% 1.18%
    イベント・見学会 5.2% 0.73%
    会社案内・スタッフ 8.3% 0.36%
    モデルハウス・展示場 1.9% 0.33%
    施工事例 4.7% 0.11%
    ブログ・コラム・お知らせ 15.3% 0.03%

    ブログ・コラムは2番目に大きな入口なのに、問い合わせ率はトップページの約40分の1です。記事を検索で読みに来る人の多くは、まだ会社を選ぶ段階にいないためだと考えられます。ブログは問い合わせを直接取る場所ではなく、社名を知ってもらい、施工事例や見学会へ運ぶ場所として設計したほうが実態に合います。

    5. スマホの問い合わせ率は、PCの約3分の1

    訪問の端末はスマホが中央値で56%でした。ところが問い合わせ率は、スマホとPCの両方が年500訪問以上あった80サイトの中央値で、スマホ0.28%、PC0.97%。スマホはPCの約3分の1です。

    スマホで見て、問い合わせは家のPCから、という人もいるので、差のすべてがフォームのせいではありません。それでも見ている人の過半数がスマホである以上、スマホの申込フォームで取りこぼしていないかは、最初に確かめたいところです。

    6. 問い合わせが多いのは夏から初秋

    月ごとの動きも見ました。サイトごとに12か月の平均を1.00として各月の値を出すと、問い合わせが多かったのは9月(1.18)・7月(1.14)・8月(1.11)、少なかったのは12月(0.77)・11月(0.88)です。

    注目したいのは2〜3月で、訪問は1.08・1.04と平均を上回るのに、問い合わせは0.97・0.90と下回っていました。年明けから春は情報を集める段階の人が多く、問い合わせに進むのは夏から秋、という流れが見えます。夏の見学会や予約フォームの準備は、6月までに終えておきたいところです。なお、9月は2025年、7〜8月は2026年の値で、異なる年の月を並べています。

    7. 35%のサイトは、問い合わせを正しく数えられていなかった

    もっとも驚いたのはこの数字かもしれません。125サイトのうち36サイトでは、問い合わせに当たる計測(キーイベント)が見つかりませんでした。さらに8サイトは、問い合わせ率が訪問の8%を超えるなど明らかに不自然な数字でした。合わせて44サイト、全体の35%です。

    問い合わせの数が分からなければ、広告もページの改善も、効果を確かめようがありません。この記事の数字と比べる前に、まず自社のGA4で問い合わせが正しく数えられているかを確認してください。

    まとめ ― 訪問数を増やす前に、自社の「入口」を測る

    • 工務店・住宅会社のサイトの問い合わせ率は中央値0.53%、上位25%は1.17%以上です。
    • 訪問数が多いサイトほど問い合わせ率が高いわけではありません。
    • 問い合わせにつながりやすいのは、ダイレクト(1.44%)とトップページからの入口(1.18%)。SNS広告(0.04%)とブログ入口(0.03%)は、問い合わせ以外の物差しで評価する必要があります。
    • スマホの問い合わせ率はPCの約3分の1。フォームの確認が先です。
    • その前提として、問い合わせを正しく数えること。35%のサイトでできていない可能性がありました。

    なお、問い合わせに当たる計測の名前や設定はサイトごとに異なり、対象も当社が関わるサイトで無作為抽出ではありません。数字は「自社と比べるための目安」としてお使いください。

    自社の問い合わせ率が中央値の上か下か、どの経路・どの入口で取りこぼしているかは、同じ物差しで測ってみるまで分かりません。
    シンミドウでは、御社のサイトを今回の125サイトと同じ基準で比べるご相談を承っています。毎月の分析レポートを付けたホームページ保守「シンミドウAI保守」もご用意しています。(分析と改善提案のサービスで、問い合わせの増加を保証するものではありません)

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